健康アドバイス

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以前ホームページの掲示板に書いた事をまとめた資料集No.5


健康余話55−1「肝臓ガン」

 倉地豊也 題名:健康余話55−1 投稿日 : 2001年5月07日<月>00時41分
 先日、恩師の木村憲二先生が、66歳というまだまだこれからの年齢で、お亡くなりになりました。急性リンパ性白血病(急性リンパ芽球性白血病[ALL])という病名で、発症から数週間でこの世を去られました。小児に最も多く発症し成人ではまれな病気という事ですが、いつも冗談の好きな先生で、気持ちの若々しさがいつまでも溢れておられる方でしたので、非常に残念です。
 この先生は大変「お酒」が好きで、いつも「お茶け」といって良く飲んでおられましたので、肝臓をいつも心配しておられ、定期的に検査は受けておられたようです。最近やや疲れ気味に見えたとおっしゃられる方もありましたが・・・。
 そこでと言う訳ではないのですが、今回「肝臓がんを防ぐコツ」という記事がありましたのでお送り致します。少し長いので分割してお送り致します。

●肝臓がんの犯人はウイルス
 「肝臓がん」と聞くと、すぐ連想するのが「アルコールの飲み過ぎ」と思われがちですが、日本人の肝臓がんはB型やC型の肝炎ウイルスによる慢性肝炎からがんに移行したものがほとんどで、アルコールなどの影響でがんに発生したものは10%程度と少数です。
(B型肝炎)=========
 B型の肝炎ウイルスは、多くの場合四歳までに母親から感染し、発病しないままウイルスが体内に残ります。こうした状態になった人は「キャリア」(ウイルスの保有者)と呼ばれます。
 このB型ウイルスの「キャリア」はその10%程度がいずれも慢性肝炎になり、その20%程度が肝硬変に進み、さらにその35%程度が肝臓がんになるとされています。
(C型肝炎)=========
 一方、C型のウィルスは大部分が輸血から感染しますが、その場合はまず急性の肝炎を発病し、そのうちの40%程度は自然に治ってしまいます。
 しかし、残りの60%程度は慢性肝炎に移行し、その40%程度が徐々に肝硬変に進み、さらにその25%程度が肝臓がんになることが知られています。

●B型やC型の感染者は要注意!!
 わが国にはB型やC型のウイルスが関係している「慢性肝炎・肝硬変・肝臓がん」が非常に多く、患者さんの数は全部で170万〜190万人に達すると推定されています。
 ほかにB型かC型ウィルスの「キャリア」が合計300万〜400万人いるとも推定されています。ですから、「キャリア」の人も含めてB型かC型の肝炎ウィルスに感染している人が最も「要注意」で、肝臓に負担をかけ過ぎると、将来肝臓がんになる危険性があります。
 但し、最近はB型ウィルスを持っている母親の赤ちゃんに、必ずB型ウィルスのワクチンを注射するようになったため、すでに乳幼児ではB型の「キャリア」が激減しています。
 またC型も、輸血による感染をほぼ完全に防げるようになり、やはり「キャリア」が減っています。ですから、B型やC型のウィルスが関係するいろいろな肝臓病も、近い将来、確実に減少に向かうものと思われます。

つづく


健康余話55−2「肝臓ガン予防法」

倉地豊也 題名:健康余話55−2 投稿日 : 2001年5月07日<月>00時43分

 つづきをお送りします
●お酒とタバコに注意
 問題なのはB型やC型のウィルスに感染済みの人ですが、すでに慢性肝炎や肝硬変になっている場合は、定期的に専門医の診察と指示を受けて肝臓を上手に管理することが大切です。最近の医学は急側に進歩しており、医師の指示をきちんと守っていれば進行を抑えるのも決して不可能ではありません。
 一方、まだ発病していない「キャリア」の人は、日常生活や食事に注意して、出きるだけ肝臓に負担をかけないようにする事が大切です。
 この場合、まず禁酒か節酒・禁煙をして、緑黄色野菜をたくさん食べるのが基本となります。こ゛存知のとおり、飲酒や喫煙は肝臓がんの危険性を高め、逆に緑黄色野菜は肝臓がんの危険性を下げる効果があるからです。
 食事の栄養バランスについては、良質のたんぱく質を多すぎない程度に確保します。脂肪や糖質も取りすぎると肥満になり、肝臓に脂肪がたまって脂肪肝になり、肝臓の働きが低下しやすくなります。
 食後は1時間ほど横になって肝臓への負担を軽くし、睡眠も十分にとりましょう。また、疲れが残らない程度の運動も大切です。
 そのほか、薬の中には肝臓にダメージを与えやすいものもあるので、薬を飲むときは十分注意しましょう。

☆肝臓がんを防ぐ効果的な方法
○緑黄色野菜をたくさん食べる ○良質のたんぱく質を多すぎない程度に十分量を確保する
○脂肪や糖質のとりすぎを避ける ○食後は1時間ほど横になり、肝臓への負担を軽減する
○禁酒する             ○たばこは吸わない
○睡眠を十分とる         ○疲れが残らない程度の適度の運動を続ける
○薬の飲み方によく注意する

☆長期または大量の服用を避けたほうがよい薬
◇抗けいれん剤          ◇一部の精神安定剤
◇各種抗生物質          ◇解熱剤・鎮痛剤
◇化学療法剤(抗がん剤など) ◇全身麻酔剤
◇経口避妊剤など

★要注意!!
 ピーナッツやとうもろこしなどにできる「かび」は、毒性の強い「アフトラキシン」という発ガン性の化学物質です。保存状態の悪いピーナッツやとうもろこしは、食べずに捨てましょう。

以上『健康生活新聞 No.342』のがんを防ぐコツBからお送りいたしました。
 肝臓の働きを助けるには、「酢の物」などの酸っぱさ「酢酸」がかなり効果があるように思われます。嫌いな方々に、肝機能が落ちておられる方が多いようです。「だるい・かったるい」時の疲れが、比較的早く取れ元気が出ます。万田酵素などの「植物発酵酵素」も同じような効果が期待できます。お酒を飲んだ後、悪酔いした時など、またあまり飲みたくないときの前によく取っていただけると効果がわかります。ではまた


健康余話56「笑うとガンになりにくい」

倉地豊也 題名:健康余話56 投稿日 : 2001年5月16日<水>20時45分

今回は新聞の興味ある記事からお送り致します。

『笑うとがんになりにくい!?』

 笑いはやはりがん抑制の良薬?
白血球の一種で、がん細胞を攻撃する血液中のナチュラルキラー(NK)細胞の働きが、笑うことで高まる事を大阪大大学院神経機能医学講座と関西福祉科学大の志水彰教授(精神生理学)らが共同研究で確認した。十七日から大阪市で開かれる日本精神神経学会で発表する。
 
 研究チームは、お笑い番組と教養番組を見た場合のNK細胞の活性化率の違いを調べた。これまでも同様の研究報告はあるが、笑いを引き起こさない刺激を同一被験者に与えて比較した例はないという。
 実験は18〜26歳の男性21人に、お笑い番組と報道、歴史番組をそれぞれ約75分に編集した2本のビデオを約1週間の間隔をあけ、朝、一人で見てもらい、視聴前と後に採血。これを血液がんの白血球細胞に混ぜ、NK細胞が壊すがん細胞の割合で示す活性化率を比較した。
 その結果、お笑い番組では活性化率が視聴前の平均26.5%から29.4%へと、ほとんどの人で上昇。しかし教養番組では同27.1%から24.8%と逆に減っていた。研究をまとめた同講座の大学院生高橋清武さんは「笑いががんを抑制するという考え方が現実味を帯びてきた」と話している。

《ナチュラルキラー細胞》
免疫機能で重要な働きを担う、白血球の中の大型リンパ球で、血液やリンパ液などに含まれる。
がん細胞やウィルスに感染した細胞などに結合し融解する性質がある。

以上 『5月15日付け中日新聞夕刊13面より』

以前4月の初め「こころとからだ」の時にも書きましたが、明るく生きることでかなり免疫力が高まる事が次第に証明されてきます。常に前向きで明るく暮らしたいものです。
記事をご希望の方はお申し出下さい。


健康余話57「高コレステロール予防」

倉地豊也 題名:健康余話57 投稿日 : 2001年6月02日<土>00時25分

 今回は生活習慣病の中から「高コレステロール予防」について考えます。

血液検査で「コレステロールが高い」と言われたら、まず食習慣を見直しましょう。

☆目標値 総コレステロール   200〜220mg/dL以下
      LDLコレステロール  140mg/dL以下
      HDLコレステロール  40mg/dL以上
      トリグリセライド     150mg/dL以下

★皆さんはいかがですか。この中に納まっていますか。
外れている方は、食事のとり方を見直す必要があります。

以下に食事療法のポイントを書きます。
@夕食の量を現在よりも減らしましょう。
A「主食・主采・副采」のそろった食事を心がけましょう。
B肉よりも魚や大豆製品を積極的に食べましょう。
C”緑黄色”野菜を十分に取りましょう。

◆自分の標準体重をご存知ですか◆
標準体重とBMIを求めて、食べ過ぎ度チェックをしてみましょう。

●標準体重=身長(m)×身長(m)×22
 [例] 身長170cmの場合
    1.7×1.7×22=63.58(約63.6kg)
●BMI=体重(kg)÷身長(m)×身長(m)
 判定  BMI
      20未満         やせすぎ
      20〜24未満      普 通
      24〜26.4未満    やや肥満
      26.4以上        肥 満

実際に計算されていかがでしたでしょうか。
一つの目安としてお考え下さい。具体的な食生活についてはまたの機会に。

★現在ホームタウン静岡にお知らせページが載っています。
更新頻度が高いので一度ご覧下さい。


健康余話58−1「糖尿病から身を守る生活法」

倉地豊也 題名:健康余話58−1 投稿日 : 2001年6月21日<木>21時37分

久しくご無沙汰致しました。ホームタウンのお知らせページをまめに更新していますのでご覧いただければ幸いです。
 今回は、『糖尿病から身を守る生活法』をお送り致します。
糖尿病の患者数は、近年ますます増加傾向にあり、今や5人に1人が糖尿病予備軍とまで言われています。糖尿病の恐ろしさは、ガンと同じように病気が進行しないとまったく自覚症状がないこと。さらに恐ろしいのは、合併症を併発して心筋梗塞、腎不全といった死に至る病の引き金になることです。
この病気にかからないようにするにはどうしたら良いか、考えましょう。

◆糖尿病ってどんな病気?
・インスリンが働かなくなる
 私たちが食べ物から取った糖分は、まず体内でブドウ糖となって血液に入り、全身の細胞に取りこまれてエネルギー源になるほか、一部は脂肪細胞に蓄えられます。
 すい臓でつくられる「インスリン」というホルモンは、このブドウ糖を細胞に取りこむ働きをしています。糖尿病は、このインスリンの働きが十分でないために、余った糖分が血液の中にあふれてくる病気です。

・糖尿病は2種類
 糖尿病には大きく分けて2種類あります。ひとつは、若いうちに発病する事の多いT型で、もっともインスリンをつくる機能が悪いため、一生インスリンの注射を必要とします。
 しかし、糖尿病のうち95%はU型で、「生活習慣病としての糖尿病」という呼び方をされ、インスリンはつくられているのに、量が少なかったり利用のされ方の悪いタイプです。初期に発見されれば、食事療法や運動療法で、進行を食い止めることができます。

・恐ろしい合併症
 怖いのは何といっても合併症です。血液中のブドウ糖が増えると、血液中の血小板が固まりやすくなり、血栓ができて血管が詰まってきます。動脈硬化がどんどん進み、心臓にくれば心筋梗塞、頭にくれば脳梗塞、足にくれば壊疽。さらに糖がタンパク質に付着して神経系を冒すために、いろいろな合併症を引き起こしてしまいます。たとえば、内臓を動かす神経をやられるので、腸の動きが悪くなって便秘をする。
膀胱の神経を冒されるので、朝、排尿のときに勢いがないので、非常に時間がかかる。全部出きらないので残尿として残る。なかでも、糖尿病の3大合併症には要注意です。

◆糖尿病の3大合併症
[糖尿病性網膜症]・・・・高血糖状態が長く続くと視力障害が起き、進行すると、失明する危険もあります。
[糖尿病性腎症]・・・・・・腎臓に障害が起きて、尿タンパクが出てきます。進行すると腎不全になって人工透析が必要になります。
[糖尿病性神経障害]・・神経に障害が起きます。末梢神経障害により、外傷にも気づきにくくなり、大事に至ることがあります
『健康生活新聞 No.342より』


健康余話58−2「元気に歩きましょう」


倉地豊也 題名:健康余話58−2 投稿日 : 2001年6月21日<木>21時43分

続きです。「元気に歩きましょう」
★糖尿病の一番の原因は・・運動不足
 戦後50年の統計を見ると、車の保有台数と糖尿病患者数は、歩調を合わせるように同じ比率で上昇しています。また、日本人の一人当たりのカロリー量は減る傾向にありますが、糖尿病は右肩上がりに激増しています。これは運動不足に原因があるのです。

★肥満と運動不足に注意
 生活習慣病としての糖尿病は体質的遺伝もあり、親が糖尿病だと子もなりやすいといわれています。なりやすい体質に運動不足や肥満などの要因が加わって発病します。かかった人の80%以上が肥満で、体質遺伝に肥満がプラスされると、糖尿病にかかる確率はグンと高くなります。太り過ぎると、インスリンは正常に作られていても必要量が増し、相対的にインスリンが不足してしますのです。

◎糖尿病の前ぶれチェック法
@朝、大量の尿は出るが、勢いがないので排尿に時間がかかる
A尿の量が多くなり、回数も増えたら要注意
Bおいしいものや、すっぱいものを食べると顔がパーっと赤くなる
Cビール腹の人は糖尿病にかかりやすい
D毎朝どうしても水が飲みたくなる
E食欲はあるがどんどんやせてくる
F最高体重から10キロ減った
G女性の陰部がかゆくなる
H水晶体に糖がたまると眼底出血することがある
I歩くと足が痛くなり、止まると楽になる
J4000グラムの巨大児を産んだことのある人は要注意
K空腹時血糖値か110以上の人は要注意
L手や足がビリビリする・冷える・ほてりがある、こむら返りは要注意
M太っている人、親類や家族に糖尿病の人がいる

Eは不思議なように思いますが、糖尿病でやせてくるのは、非常に悪い状態です。インスリンの作用が不足しているため、窃取した糖をうまく使えなくなって、どんどん体外に排出されて、エネルギー不足の状態になってしまうのです。

☆糖尿病予防のポイント
●三食バランスのよい食事をする           ●食事はゆっくりとる
●毎日20〜30分歩く                 ●ストレスをためない工夫をする
●アルコールは日本酒なら1合、ビールなら中ビン1本、ウイスキーなら水割り1杯が適量

☆糖尿病を予防するには
 生活習慣病としての糖尿病を予防するには、食べ過ぎや過度の飲酒を控え、さらに運動などでエネルギーを消費し、インスリンの働きを助けてあげることです。また、初期にはほとんど症状が出ないので、油断せずきちんと検診を受けて、早期発見・早期治療に努めましょう。

以上 運動不足と過食に注意しましょう。『健康生活新聞 No.342より』


健康余話59「日本茶で胃がん予防」

倉地豊也 題名:健康余話59 投稿日 : 2001年7月03日<火>23時17分

 最近の気候の変化の激しさに皆さんは着いて行けますか。体調を崩される方が多く、風邪など引くとなかなか治るのに時間が掛かっているようです。気をつけましょう。

 今回は、1997年に開催された日本ガン学会で、高いガン予防効果があると報告された、4食品の中から日本茶について、他のページからの引用も交えて、紹介させていただきます。

 ☆胃ガン予防のためには、日本茶を
 日本茶の中に含まれるカテキンの中のカテキンガレードという成分が、たいへん強力な抗ガン作用を持っています。特に、胃がんに関しては、日本茶を毎日飲む人は、毎日飲まない人にくらべ、胃ガンになる可能性が30パーセント以下という驚くべきデータも報告されています。

日本茶と健康
 1991年に開催されたアメリカ科学協会総会で「緑茶にはがんに効果的なものがある」と発表されました。日本国内でも次々に発ガン作用抑制効果や血糖降下作用など成人病や老化を防ぐ効果があることが発表され、緑茶は単なる嗜好品から健康維持や生体調節機能を持ったすぐれた食品として注目されています。お茶の産地であり、たくさんのお茶が飲まれている静岡県のやぶきたではガン患者の発生率が少ないそうです。緑茶には一体どのような成分が含まれているのでしょうか。
 全国茶商工業協同組合連合会によると、緑茶に含まれている主な薬効成分には、カテキン類(タンニン)、カフェイン、ミネラル、ビタミン、アミノ酸などがあり、なかでも茶の渋味の元となるタンニンなどのカテキン類には、発ガン抑制作用や血中コレストロール、血圧の上昇を抑える作用のほかに、解毒作用や虫歯の増殖を抑え口臭を消す作用などもあるそうです。さらに、脂肪の酸化を抑えて老化を防ぐビタミンEに比べ、約20倍も老化防止効果があるとのこと。お茶が不老長寿の妙薬であるという言い伝えはまんざら嘘ではないようです。
 また、緑茶はビタミンCの宝庫とも言われています。1日の必要量は大人で50ミリグラム。お茶は1杯で3〜5ミリグラムのビタミンCを含んでいるので毎食後のお茶の1杯で1日に必要なビタミンCの約30パーセントを摂取することができることになります。同連合会によると、ビタミンCはかぜやインフルエンザなど様々な病気の予防や治療に効果があるだけでなく、美容の点からも、肌の弾力性の維持や保湿、肌の色を黒くするメラニン色素生成の抑制効果もあるそうです。緑茶のビタミンCは熱に強くお湯を注いでも短時間に煎じて出せばほとんど破壊されないため効果的です。
 お茶はノンカロリーのアルカリ性飲料なので、いくら飲んでも太る心配もなく、体に障ることがないので安心して飲むことができます。美容と健康に最適な飲み物ということができそうです。
 
 たくさん飲むのが苦手な方は、粉にしたお茶の葉をご飯にかけて食べるという手もあります。以下にお茶の事を良く説明してあるホームページがありましたので、アドレスを載せておきます。
http://www.wbs.ne.jp/bt/daisan/mokuji.htm


健康余話60「夏の冷え」

倉地豊也 題名:健康余話60「夏の冷え」 投稿日 : 2001年7月21日<土>00時35分

◆健康の大敵!!夏の「冷え」は大病のもと◆
 夏はとかく体調を崩しやすい季節です。体に悪いとわかっていても、ついやってしまうのが不摂生。薄着で冷房のきいた部屋に長時間いたり、冷房や扇風機をつけっぱなしで寝てしまったり、冷たい物の食べ過ぎや、めん類などのあっさりした物ばかり食べたり・・・。しかし、これを軽くみると、とんでもないことに。なかでも特に気をつけたいのは冷え。冷えは万病の元といわれます。冷房による体の冷えは、血行不良から新陳代謝がうまくいかず、体内の老廃物をためてしまいます。その結果、動脈硬化を引き起こし、高血圧症や脳血栓、心臓病を招く恐れもあるので非常に危険です。
 また、「暑い」という感覚刺激と「寒い」という感覚刺激の情報が入り乱れるために、神経の働きもいっそう鈍りがちになります。

★冷房で体が冷えすぎてしまった場合は
 本来、夏は暑さのために、ほかの季節より体の水分が発散されるべきです。ところが、冷房で毛穴が閉じられているために、水分が発散できず、新陳代謝のバランスが悪くなり、老廃物が体の中にたまったりします。それを汗として出すことが大事です。 
 お風呂やサウナ、ラジオ体操などで、とにかく汗をかくようにしましょう。

★特に女性は冷えに要注意
 女性は基礎代謝が低く、平均皮膚温も男性より2度ほど低い上、皮下脂肪が多いので熱伝導が悪く、さらに、男性よりも薄着であるため、二重に冷えをかかえてしまいます。
 女性の方はスカーフやカーディガンなどを必ず用意し、ちょっと冷えると思ったら、すぐに着用できるようにして下さい。可能であれば、ソックスも。

★冷房とは違う、扇風機の害
 人は気づかないうちに、一日に1.5リットルもの汗を毛穴から空気中に放散しています。「不感蒸泄(ふかんじょうせつ)」といいます。クーラーやエアコンなどの冷房の場合は、毛穴をしめ、新陳代謝のバランスをこわしてしまいますが、扇風機の風が直接体に当ると、この「不感蒸泄」を過度に引き起こしてしまい、塩分やミネラルや水分をどんどん蒸発させてしまいます。これらの成分が不足してくると、血液が濃縮して血管をつまらせることがあります。その結果、脳梗塞を招く危険性が出てくるのです。熱帯夜に扇風機をつけっぱなしで寝てしまった時は、翌朝、ぬるめの緑茶にしおをひとつまみふりかけ、4〜5杯飲んでみましょう。緑茶でミネラル成分を補い、もっとも不足しやすいナトリウムを塩で補います。

★やっぱり、入浴が一番
 夏は、暑さによる精神的なストレスが自律神経に大きな影響を与えます。自律神経の不調は、そのまま体の各所の不調につながります。これの解消には入浴が一番です。入浴は、筋肉の緊張を取り除いてくれるだけでなく、こった筋肉が引き起こす神経への圧迫も取り除いてくれます。朝と板の2回入れば、さらに効果的です。

以上『健康生活新聞 No.344』からでした。
◇注意◇
 上記に紹介した、「長時間の体全体の冷え」による代謝障害と私どもが推奨する「氷冷(部分冷却)」とは根本的に考え方が異なりますので、[冷やす=冷え=体に良くない]と考えないで下さい。



健康余話61「すい臓ガンを防ぐコツ」

倉地豊也 題名:健康余話61「すい臓ガンを防ぐコツ」 投稿日 : 2001年7月30日<月>00時05分

 ◆すい臓ガンを防ぐコツ◆
 すい臓は胃の裏側にある細長い臓器で、消化液(すい液)を分泌して胃腸の働きを助けているほか、ホルモン類(インスリンなど)も分泌しています。

 すい臓ガンは30代後半から少しずつ増えはじめ、50代以降は患者の数が急激に上昇していきます。ガンができても、初期には症状がありませんが、進行してくるとみぞおちやその左右が痛み、それが背中や腰などにも伝わって痛む、体重が減る、黄疸が出るなどの症状が現れます。
 すい臓ガンで死亡する人は年間1万6千人を超えますが、女性にも多く、今後も増え続けるものと思われます。
 
 すい臓ガンになる誘因は、ほかの消化器ガンほどはっきりしているわけではありませんが、動物性の脂肪やたんぱく質をとり過ぎている人に多いことが指摘されています。すい臓から分泌される《すい液》という消化液は脂肪やたんぱく質を分解する働きがあるため、高脂肪・高たんぱく質の食生活を続けていると、すい液もたくさん必要になってすい臓に負担かかり、長い間にガンが発生しやすくなるものと考えられています。
 そのほか、たばことの関係も注目されています。たばこの影響は、喉頭ガンや肺ガンほど強くないものの、胃ガンや大腸ガン、肝臓ガンより悪影響が強いことがわかっています。
 アルコールについては、肝臓ガンとの直接の関係はないものの、ふだんからアルコールを飲みすぎていると慢性のすい臓炎になり、それがすい臓ガンの誘因になる危険性があります。

★すい臓ガンの効果的な予防法
 すい臓ガンの効果的な予防法として、以下の点があげられます。
@高脂肪・高たんぱく食は避ける。     A禁煙し、過度の飲食も避ける
B慢性すい炎の人はきちんと治療する    C十分休養し、ストレスをためない

★治療技術も徐々に進歩
 すい臓ガンの検査では、腫瘍マーカーや腹部超音波、X線CTなどの検査を行ない、必要なら造影剤を注入してX線撮影するもので、小さなガンでも発見する「ERCP検査」も行ないます。

 治療は手術療法が中心で、早期ならすい臓の一部と隣接する臓器の一部を取り除きます。もう少し進行していればすい臓を全部取り除き、周辺の臓器や器官の一部もかなり取り除きます。
 すい臓ガンは発見が遅れて手術できない例も多いため、5年以上生きられる人はまだわずか20パーセントにも達していません。現状では、腹部の痛みが出てから発見されるケースが多いので、無症状のうちに見つけられるよう、定期検診は必ず受けるようにしましょう。

以上『健康生活新聞 No.344』からでした。


健康余話62「いい汗かいて夏バテ・大病を予防しよう」

倉地豊也 題名:健康余話62「いい汗かいて夏バテ・大病を予防しよう」 投稿日 : 2001年8月06日<月>00時12分

 ★いい汗かいて夏バテ・大病を予防しよう★
 夏は暑いのが当たり前ですが、「汗をかくのは絶対にイヤ!」といって、クーラーのきいた部屋にとじこもっている人はいませんか?それでは、かえって自律神経のバランスを崩し、更年期障害を悪化させたり、さまざまな体調不良をもたらすことになります。
 実は、「汗」には私達の健康を守ってくれるたくさんの役割があるのです。

◆健康を守る汗の働き◆
 汗は暑いときに体温を下げてくれるということは誰でも知っていますが、それ以外にもたくさんの大事な働きがあるのです。

@体温を調節する
 汗の量を調節することで、暑いときに体内の熱を発散させて体温を下げ、寒いときに逆に体温を上げるようにします。
A体の中の水分量を調節する
 体内の水分量は汗と尿とで調節されています。汗をたくさんかくことで、体内の水分量を減らす働きがあります。
B疲労のもとになる物質を排出
 肩こりは、筋肉が疲労すると生まれる乳酸や二酸化炭素が体内にたまると起こります。汗をかくことで、こうした老廃物を排出し、肩こりを解消することもできます。
C自律神経のバランスを整える
 自律神経の働き、とくに副交感神経の働きが弱まると不眠症など、さまざまな不快な症状を起こします。こうした、自律神経の乱れを汗をかくことで解消する働きがあります。
D肌の保護
 汗の水分と一緒に分泌される皮脂が、皮膚の表面を守っています。汗をかくことで潤いのある肌を保ちます。

以上のように、汗が果たす役割はたくさんあります。汗をかかない生活を続けていると、さまざまな体調不良を引き起こします。しかし、だからといって汗をかきすぎるのも問題です。汗は多すぎても少なすぎてもよくありません。汗を多くかき過ぎると体内の水分が減って血液の濃度が高まります。その結果、細い血管に血液がつまって脳卒中や心筋梗塞など、死に至る大病を引き起こすこともあります。
 いい汗をかく習慣を身につけ、病気に負けない夏の体を作りましょう。


健康余話62−1「効果的に水分を取る・生活の工夫」

倉地豊也 題名:健康余話62−1「効果的に水分を取る・生活の工夫」 投稿日 : 2001年8月06日<月>00時17分

★効果的に水分を取るポイント・生活の工夫★
 夏、健康な体を維持するために必要な水量は、飲み物から2リットル、食べ物から1リットル、合計1日3リットルが目安です。

@行動する30分前にコップ1杯の水を飲む
 家事や外出前に、必ず1杯の水を飲むよ心がけてください。汗をかいた後の疲れ方がまったく違います。
A洗い物はお湯でする
 洗い物をする時は夏場でも40度のお湯で洗
うと効果的です。指先を体温より5度くらい高い温度で温めると、全身性の汗が出ます。また、足の裏には自律神経を刺激する「湧水」というツボがあります。洗い物をする時は青竹を踏むか、健康サンダルを履き、この湧水を刺激すると、さらによい汗がかけます。《あまり長く刺激し続けるのはお勧めできません。》
B毎日の散歩でいい汗をかく
 いい汗とは、かいてもすぐ蒸発していく汗の事です。汗は蒸発する事で熱を奪い、体温調節の役割を果たします。流れ落ちるような汗は無効発汗といって、実は体温を調節する効果のない汗です。健康のためには、自然に蒸発するいい汗をかくことが大切。効率よく汗をかくには体を動かすことが一番ですが、その中でも散歩が最適です。それも15〜45分くらいが適当だといえます。《私の所では、30分以上の連続歩行をお勧めしています。》
C毎日2時間以上外気に触れる
 現代の子供たちは、体温が36度に達しない、いわゆる低体温の子供が増えているといわれています。《乳幼児期に冷房の中で快適にすごすことは汗腺の発達を妨げます。》これは、冷房も暖房も人工的に調節された部屋にいるため、自分の体で体温を調節する必要が無くなり、体温調節機能が働かなくなってしまったためです。
 機能的に体を冷やす冷房は、自律神経のバランスを崩してしまいます。そこで、一日中冷房のきいた部屋にいる人は、続けて2時間、冷房のない場所で過ごすようにしましょう。それも、夕方から2時間以上、外気に体をさらすと効果的です。自律神経の交感神経と副交感神経とが交代するのが夕方の4時以降。この時自然の外気に体をさらして刺激を与えると、交代がスムーズに運びます。
D昼食にたんぱく質、夕食にワイン
 食べ物も、汗と大きな関係があります。昼食時の、体が活発なときに牛乳、豚肉、豆腐、卵などのたんぱく質をとるといい汗をかくことができます。たんぱく質は、体内で早く熱を生産する栄養素。夏はついあっさりした食事が多くなるので、たんぱく質の摂取を心がけたい物です。
 夕食のポイントは、食前にワインなどのアルコールを1杯飲み、温かい食べ物、辛い食べ物を食べます。温かい食べ物、辛い食べ物は体を内側から温めて汗を出してくれますし、アルコールは血管を拡張させて発汗を促してくれます。
Eお風呂で温度調節機能を刺激する
 まず、湯船に入る前に足に水をかけます。足に水をかけることによって体に備わった体温調節機能を刺激し、汗腺の働きを強めるのです。
《少しぬるめのお湯に胸の下までゆっくりつかり、汗を出すことをお勧めします。》
F自律神経の中枢を氷冷する
 十分に温まったら、お風呂上りには氷で後頚部(髪の生えぎわの所)を冷やします。
自律神経(体温調節中枢など)のポテンシャルを下げる事で、深い眠りをえることが出来ます。寝苦しい夜には、特にお勧めします。
 
 この夏、大いに「いい汗」をかいて、夏に負けない体づくりに励みましょう。以上『健康生活新聞 No.345』からでした。


健康余話63「尿酸値と痛風」


倉地豊也 題名:健康余話63「尿酸値と痛風」 投稿日 : 2001年8月15日<水>23時32分

★尿酸と痛風について★ 

 人体の細胞は、古くなると分解されて壊れていきます。尿酸というのは、この細胞の核を構成する核酸の成分であるプリン体が代謝分解されるときに生じるもので、白色、無味、無臭の結晶です。これ以上には分解されずに尿中に排せつされます。
 この尿酸は、血液中では尿酸塩として存在し、健康な人の場合には、その75%が腎臓の糸球体でろ過されて尿中に排せつされます。
 腎臓などに障害があって尿酸の排せつがうまく行かなくなったり、あるいはからだの代謝が狂って、プリン体の代謝がうまくいかなくなって尿酸がどんどんつくられたりすると、血中の尿酸が増加することになります。これが高尿酸血症という状態です。高尿酸血症はそれ自体は、痛くもかゆくもないのですが、これは痛風の前駆状態であり、痛風の高危険度群ともいえる状態です。従って血中の尿酸の量を検査すれば、この種の病気が予測できるわけです。
 1日に排せつされる尿酸の量は、約400〜900mgですが、血液生化学検査によって血中の尿酸を測定した場合、正常値は男性3.7〜6.9mg/dl、女性2.4〜5.9mg/dlです(東京女子医大消化器病センター)。
 一般に男性の方が女性より0.5〜1.5mg/dl高い値になります。ただし女性の場合も更年期を過ぎると、男性の値に近づきます。また、食事や運動、あるいは測定時によっても、いくぶん影響を受けますが、気にするほどの違いはありません。

◆足の親指だけでなく内臓すべてに沈着する◆

 高尿酸血症は、前述のように尿酸が多量につくられる場合と、つくられる尿酸の量は普通でも排せ.つの機能が低下して起きる場合とがあります。前者の場合には糖尿病、高脂血症などが、後者の場合は腎臓の病気、甲状腺機能低下症などが隠れていることがあります。高尿酸血症の場合、いちばん注意が必要なのは痛風で、尿酸値が高い状態が続いた人の10%程度の人が痛風になります。尿酸が血中に増えてそれがある程度にまで達すると、尿酸塩の結晶が組織中に析出して激烈な痛みを引き起こします。pH7.4の血清中に、尿酸がだいたい6〜7mg/dlを越える状態になると、結晶として析出されるようになります。
 水分に溶けていた尿酸が針状の結晶になり、さらにこれが塊になって急速に沈殿することを析出といいます。
 この現象は特に足の親指付け根の関節周辺の結合組織に起きることが多く、風がそよいでも痛むということから、痛風という病名が付いたわけです。しかし、尿酸は内臓の至る所に溜まりますから、やがては心臓や腎臓、血管などがおかされ、心筋梗塞や脳血管障害、腎臓の機能低下などを引き起こすことになります。
 関節部の痛みということからこれまでわが国では、痛風は整形外科が扱うことが多かったのですが、血中の尿酸度が高まるという現象は全身病的な内科の疾患です。部分的な症状に目を奪われることなく、食事療法を中心とした全身の対策を考えることが大切です。
 以前は血中尿酸値が9〜10mg/dl以上の場合が治療の対象でしたが、現在では8mg/dl以上の場合には内臓のどこかに尿酸結晶が沈着している可能性が高いため、治療の対象になります。

つづく


健康余話63−1「尿酸値と痛風対策」

倉地豊也題名:健康余話63−1「尿酸値と痛風対策」 投稿日 : 2001年8月15日<水>23時39分

☆美食と大食を避けよう☆

 治療には尿酸の排せつを促進する薬と、尿酸が合成される機能自体を抑える薬が、症状や病状、体質、合併症などによって使い分けられますが、日常の生活で大切なのは以下に説明するようにアルコール類を控えることと食事の内容です。
 尿酸はプリン体の代謝の際に生ずることから、以前はプリン体を豊富に含む魚卵類、貝、肉類、レバー、ビールなどの食品だけが制限されましたが、そうした食品を制限するだけでは痛風の予防や治療には十分ではありません。むしろ摂取するカロリー全体の制限が必要です。
 この病気は欧米では帝王病ともいわれた一種のぜいたく病ですから、美食と大食を避ける食生活が大切です。
 また最近は、若い人でも水分を制限して激しいスポーツをする運動選手に一時的に尿酸値の高まる現象がみられて注目されています。ハードな運動をする場合には水分を十分に補給することをお忘れなく。痛風はたいへん辛い病気ですから、ストレスをためないようにし、美食と大食に気をつけて尿酸値を上げないように心がけることが大切です。
■規則正しい食生活と腹八文目の心がけが大切です。■

 ★ビールと尿酸値★

 ビールに大量に含まれるプリン体は人体内で巡り巡って尿酸値として表れます。ビールの量が増えるこの季節だけ、尿酸値が高くなる人がいます。春や秋の健康診断で、尿酸値が6.0mg/dl以上あった人は、8.0mg/dl以上にまで上昇していることもあります。
 尿酸値は、7.0mg/dl以上に上昇すると、体内で結晶として析出することがあります。痛風発作で知られ、足の親指の付け根や足首の関節、膝関節などに起こりやすいです。

 痛風発作というと、発作を起こした部位が赤くはれ上がり、強烈な痛みを伴う状態を想像しますが、必ずしもそれだけではありません。持続的に何となく痛い、という状態が1ヶ月以上も続く場合もあるようです。
 「アキレス腱を押さえると何となく痛いのです。もうここ2ヶ月も続いています。」と言っていたある人の尿酸値が9.2mg/dlもありました。尿酸値を下げたところ、アキレス腱の痛みがなくなりました。このような、ちょっと変わったタイプの痛風発作も現実にはあるのです。この人の春の健康診断の尿酸値は6.8mg/dlでしたが、ビール大好きがたたって、夏だけ尿酸値が高くなっていたのです。
■ビールの飲みすぎにはくれぐれもご注意■


  健康余話64「糖尿病とみかん」

倉地豊也題名:健康余話64「糖尿病とみかん」 投稿日 : 2001年8月21日<火>15時52分

★糖尿病合併症 ミカンで予防★

 日本人のライフスタイルの変化(食生活の向上、運動不足など)などにより、糖尿病が激増している。例えば、糖尿病が強く疑われる人は六百九十万人、糖尿病を否定できない人を合わせると千三百七十万人に上り、四十歳以上の成人では十人に一人が糖尿病であると言われている。
 糖尿病は腎(じん)症、網膜症、神経障害等のほか、脳梗塞(こうそく)、心筋梗塞などの合併症を誘発し、生涯にわたる生活の質を著しく損なう。例えば、糖尿病が原因で透析を受ける患者は毎年七千−八千人増加している。また、後天性失明の原因の第一位は糖尿病性網膜症で、年間三千人を超えている。これらの合併症は医療費の莫大(ばくだい)な増加の一因ともなっている。

 糖尿病に起因する合併症に共通した病理学的特徴は、血管障害(大血管障害と細小血管障害)である。血管の正常な機能が損なわれることによって、合併症が誘発される。つまり、糖尿病性合併症は血管の病変であると極論しても間違いないであろう。

 血管は内膜、中膜、外膜の三層から構成されており、なかでも内膜(内皮細胞)は血管平滑筋の緊張の調節や血栓の防止などに重要な役割を果たしている。ほとんどの場合、血管の機能異常は内皮細胞の機能低下から始まると言っても過言ではない。内皮細胞の機能は種々の要因(活性酸素、LDLコレステロールが活性酸素によって酸化された酸化LDL、中性脂肪など)によって障害されるが、このうち活性酸素が中心的な役割を果たしていることは、ほぼ間違いないところまで研究が進んできている。

◆みかんの抗酸化作用
 ミカンジュース中にはビタミン、カロテノイドやフラボノイド等の強力な抗酸化作用を有する機能性成分が豊富に存在しているので、糖尿病性合併症の中心的な役割を果たしている活性酸素を消去することが期待できる。そこでネズミを実験的に糖尿病にし、血管内皮細胞の機能が低下していることを確認した後、この糖尿病ネズミのえさにミカンジュースを混入して、長期間投与してみた。すると、内皮細胞の機能はほとんど完全に回復した。
 この事実は、ミカンを常時摂取すると、糖尿病性の血管障害(つまり合併症)が予防されることを意味する。ミカンジュースを投与中、血糖値がさらに上昇することはなかった。
 これらの結果により、ミカンは血糖値を増加させることなく、糖尿病性合併症の予防効果を持つことが、少なくとも動物実験では明らかにされたことになる。

(2001年8月12日中日新聞掲載)
星薬科大医薬品化学研究所教授(機能形態学) 鎌田 勝雄 先生 「食と健康」より


健康余話65「恩師を偲ぶ会に出席して」

健康余話65「恩師を偲ぶ会に出席して」
No. 2
Name 倉地豊也
Date :2001/09/09(Sun) 03:18
Mail toku@kurachi.co.jp
URL http://isweb35.infoseek.co.jp/family/to-kura/

 今年4月に急逝された恩師の先生を偲ぶ会で、20年ぶりくらいで諸先輩にお会いしました。すっかり体型の変わってしまわれた方、ほとんど変わりのない方、さまざまでした。ただ皆さん少しずつ、ご自身の身体について言う所が色々あるように見うけられました。
 一人でも多くの方々に、これからも元気で頑張っていただけますよう、日々の生活の中で注意していただきたいことを列挙したいと思います。

@規則正しい生活
 ・食事の時間、睡眠時間(起床時間・就寝時間・睡眠時間)など。夜遅くまで飲食はしない。なるべく12時前には床に入る。

A食事はバランス良く、ゆっくり食べる
 ・朝食、昼食はしっかりと食べ、ボリュームを持たせる。夜は比較的アッサリと、腹8分目位にする。食事の前後30分位は、水分の取り過ぎに注意する。胃がもたれ気味の時は、水分の取り方を気を付けましょう。緑黄食野菜を必ず取る。

B週に一回、連続48時間は休肝日
 ・アルコールは適度に飲めば、百薬の長ですが、飲み過ぎるとさまざまな弊害をもたらします。二日続けて飲まない日を作りましょう。肝臓は「沈黙の臓器」です、血液検査で異常が出るころはかなり進んでいて疲れ易く、ダルイです。

C便秘は有害物質を再吸収します
 ・毎日規則正しいお通じを心がけましょう。一日に二度あっても構いませんので、我慢しないようにしましょう。便秘気味の方は、決まった時間にトイレに入る習慣をつけると良いかもしれません。食物繊維を多く取る事も有効です。

D定期的に、30分以上の歩行が大切です
 ・座り仕事が多く、車で移動する事が多い方は、一日おきくらいに30以上40分くらい連続で歩く習慣をつけましょう。毎日でも結構です。週1回ではちょっと足りません。肘を曲げて、後ろへ大きく腕を振ってください。膝の内側が擦れるようにして、線を踏むような気持ちで歩きます。

E良い姿勢を心がける
 ・いつも同じ方で足を組んだり、崩したりしない。反対側にもやってみる事。寄りかかって座らない。柔らかいソファーに長く座らない。腰痛になり易く、腰が伸びなくなります。上向きで、枕をほとんどかわなくて寝られれば一番良い。

 以上、思いつくままに色々書いてみました。具体的なやり方、方法は多々あると思います。不明な点はお尋ね下さい。ジョギングはお勧めできませんので、ウォーキングにして下さい。ではまたよろしく




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